- 04December 06, 2018
『WAKU WORK -The exhibition of TSUMORI CHISATO-』at 21_21 DESIGN SIGHT Gallery 3
10月6日(土)~24日(水)の期間、21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3にてTSUMORI CHISATO初の展覧会『WAKU WORK ―津森千里の仕事展―』が開催されました。
ACTION
TSUMORI CHISATO初の展覧会は、デビュー・シーズンである1990年秋冬から直近の2018年春夏シーズンまでのコレクション・アーカイヴを中心に、津森千里手描きのスケッチや私物のコレクションなど、おもちゃ箱をひっくり返したようなポップで賑やかな展示となりました。その展覧会の模様をTSUMORI CHISATOのヒストリーとともにご紹介します。
エントランスを入ると、まずはデザイナー津森千里からのコメント。
父に、幼稚園の頃、絵が上手と言われて、有頂天だった。
小学生の頃、目がキラキラした絵を描く漫画家になりたかった。
中学生になると、フォークシンガーに憧れた。
母に、高校生の頃、女性も手に職を持つことを勧められ、服作りの道を選んだ。
文化服装学院に入って、ファッションコンテストに応募した。
そして、三宅一生さんと出会った。
この文章から始まり、その後、物作りに対しての姿勢とここまで続けてこられた感謝の気持ちが書かれていました。
そして、その先にはデザイナー津森千里のヒストリーと本人による挨拶ムービーが登場。
幼少期からの写真はもちろん、漫画家を夢見ていた頃に描いた女の子の顔なども掲載されていました。
こちらは、書籍『TSUMORI CHISATO』(RIZZOLI)でもご覧いただけます。
『TSUMORI CHISATO』ブランドは、1990年秋冬シーズンよりスタート。
会場では、手描きのスケッチとともに、90年代の東京コレクションの写真やポートレイト、津森曰く”30年経った今とほとんど変わらない”という、デビュー当時のブランド・コンセプトも展示していました。
デビュー・シーズンより参加していた東京コレクション時代のアーカイヴは会場奥で天井から吊るす形で展示していました。
下の画像左側のパープルのドレスは2002年秋冬シーズンのもので、その年、第20回毎日ファッション大賞の大賞を受賞しました。
2003年10月には、はじめてパリ・コレクションに参加しました(2004年春夏)。
パリ・コレクション時代のものは、さまざまなタイプのマネキンやトルソを使用して所狭しと展示、東京コレクション時代のものを合わせると、アーカイヴは全部で125体になりました。
会場の柱は、何種類もの生地を巻いて木のように表現、そこにもマネキンを座らせたり、TSUMORI CHISATOならでは遊び心に溢れた展示となりました。
ウィンドウ面にはテーマごとのブースを設けて展示、下の画像は左から2007年春夏(テーマ:コスタリカ)、2011年春夏(テーマ:アフリカ)、2006年秋冬(テーマ:雪の日)、2011年春夏(テーマ:アフリカ)。コレクションは、津森千里が旅した国や地域がテーマとなることも多いです。
いちばん小さなブースには”津森千里の好きなもの”がギッシリ。マカロンで有名なパリのサロン・ド・テ『LADURÉE』とのキャンドルや2007年秋冬コレクションの衣装を纏ったリカちゃん人形などの過去のコラボレーションや津森の私物の人形、旅先のお土産、プレゼントされた大切な絵などが飾られていました。
会場内でもっともフィーチャーされたシーズンは”アメリカン・コミック”をテーマにした2015年秋冬シーズン。
手描きのゴリラが印象的だった”ウィンター・ジャングル”をテーマにした2014年秋冬シーズンとともに、コミックをプリントした壁面の前で展示されました。
会場の外には、津森を中心に2012年春夏に登場した人魚と怪獣を描いた顔出しパネルが。
たくさんの方が記念撮影をされていました。
1990年秋冬のデビュー・ショウから2019年春夏までのムービーをポップなプリント柄でコラージュした映像もここでしか見られない特典映像。
さらに、『TSUMORI CHISATO』を立ち上げる前に津森がチーフ・デザイナーを務めた『I.S. chisato tsumori design』も会場にて限定販売しました。
TSUMORI CHISATO初の展覧会は、おかげさまで大盛況で終えることができました。
会場の館長にして、書籍『TSUMORI CHISATO』のアート・ディレクターでもある佐藤卓氏をして”元の建築が見えなくなるくらい”と言わしめたポップな会場は、デビュー29年目にして、まだまだ衰えぬTSUMORI CHISATOのパワーに溢れたものでした。
津森のインタヴュー映像は、以下の言葉で終わっています。
“愛をこめて、私の形、私の思いをティンカーベルのように服にふりかけて、一つずつ作っています。みなさん、ありがとうございます。”
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